SOLUTIONS ソリューション紹介

スマートシティ

VRミラーセラピーによる遠隔リハビリの実践

VR空間での動作共有・ミラーセラピーにより幻肢痛の遠隔リハビリ指導を実践

<VR遠隔セラピーシステム>

VRによる幻肢痛の疼痛緩和を進めるKIDS社猪俣氏と連携し、VRを活用した遠隔セラピーシステムを開発しました。
システムはVR体験者の手や頭の動きを認識し、体の動きの情報をリアルタイムにVR空間に反映・共有でき、VR空間には10名分のトラッキング情報を同一の仮想空間に出力可能で、同時にコラボレーションが可能です。
セラピストと当事者はHMDを通じてVR空間の自分や相手の動きを見ながら、遠隔にいるもう一方の体験者とあたかも対面しているかの感覚が味わえ、身ぶりや手ぶり、ジェスチャー、音声を使った相手が目の前にいるかのようなコミュニケーションが実現されます。


■利用用途

システムはMeta Quest2を利用し、同時に10名でVR空間での手足の動きを共有するコラボレーションが可能となり、セラピーだけではなく健康増進のためにも利用可能です。たとえばフレイル予防といった運動を先生や仲間と離れていてもVR空間で一緒に体験するなど、一人でトレーニングやセラピーをする際に課題となっていたモチベーションの維持にも有用です。

■開発背景

遠隔体験共有の可能性に着目し、コロナ禍以前より研究開発を進めており、2019年にはVRを用いた遠隔コラボレーション技術を東京大学の暦本研究室、KIDS社の猪俣氏と連携し、実証実験を進めてまいりました。また、猪俣氏はVRシステムで上肢に幻肢痛のある60人に対し、延べ700回のVRリハビリデータを収集し経過を追う研究を継続しています。猪俣氏の尽力によりVRによるリハビリが有効な手段として世に広まり始めています。
この知見を活用し、離れた場所にいてもVRで同じ部屋にいる同室感を作り出し、手や体の動きを可能としています。現在このシステムを使って幻肢痛のリハビリを進めています。

■ミラーセラピーのデジタル化

幻肢痛のセラピーは、鏡療法(ミラーセラピー)と呼ばれる療法が一般的です。
鏡療法は健常な側の手足を鏡に写して、動かして見せることで欠損した四肢があるように脳に錯覚させる手法ですが、人によって切断部位が異なり幻肢の姿勢も違うため限界がありました。幻肢痛は何時痛みが襲ってくるかわからない症状であり、副作用を感じつつもやむをえず薬で対処しようとする当事者も多く、根本的に痛みを抑える仕組みが求められていました。
本システムでは、ミラーセラピーの原理を利用しつつ、患者の手がVR空間で再現可能となり、これにより幻肢痛のみならず、ミラーセラピーを使うセラピーに応用可能と想定されており、検証作業を進めております。

よく見られているソリューション

よく見られている事例

ページ最上部へ移動する